埼玉県出身。アデカアーガス化学株式会社(現:株式会社 ADEKA)で社内ベンチャーとして液晶事業を立ち上げ、約 30 年に渡って液晶の研究・製品開発に従事。電子材料開発研究所長を経た後、渡米、コロラド州ボールダー市に液晶研究・開発会社(LCVISION.INC)を立ち上げ、帰国後に高純度化学品製造企業の招きで技術顧問を継続するとともに、技術ベンチャー・株式会社 CHIRACOL を設立、液晶研究を行っています。
一方で、柴田氏の長年の趣味はバイオリン演奏。最近でもコンサートで演奏するなど、日常的に音楽に親しむ中で、研究対象である有機半導体(液晶)でオーディオアンプを試作したらどんな音がするのか、と考えるようになりました。初めて試作したアンプから聞こえた音には大きなノイズがしたものの、その中に、これまで一度も聞いたことのないような音を見出し、研究を継続することを決意。苦節の試作を重ねた結果、これまで聞いたことがない、初めてのクリアな音質を実現することができました。
この度の開発にあたって使用した有機半導体材料は、ウシオケミックス株式会社が提供、山形大学有機エレクトロニクスイノベーションセンター水上研究室が有機トランジスタ素地を作成しました。アンプの作成にあたっては、オルガノサイエンス株式会社の支援を受けました。
今後は実用化を目指し、ハイエンドのオーディオメーカーとの協業や、オーディオマニア向けにアンプ製作の受注生産に取り組むことも考えています。現在は、キイとなる有機トランジスターの量産化に向けた検討を東京大学と共同で進めている。幅広い方々に使用してもらえるよう、ギターアンプやヘッドフォンアンプも視野に入れ、有機トランジスターアンプを用いたオーディオ機器の普及に向けて開発を進めている。日本、米国に特許出願中。